突然ですが…身体についた脂肪や体型、気になりませんか!?

今回は、女性ホルモンと脂肪についてわかりやすくお話しします。


脂肪がたくさんついていると、太ってしまうだけでなく、妊娠や月経など女性の身体の機能に大きく影響を与えます。

その中でも女性ホルモンである【エストロゲン】は脂肪の蓄積などのコントロールに関与しているのです。

では、エストロゲンは身体の脂肪をどのようにコントロールするのでしょうか?



1.エストロゲンの脂肪に対する働き

脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪と呼ばれる2つの種類があります。

エストロゲンには、皮下脂肪を増やし、内臓脂肪を減らす働きがあります。

◎エストロゲンの働き・増える時期

エストロゲンが増える時期は、次の通りです。

① 思春期

② 妊娠時


■思春期に脂肪が増える理由

思春期は身体に様々な変化が見られますが、その一つに「月経の始まり」が挙げられます。

思春期にエストロゲンの作用により身体に脂肪を蓄積することで、排卵を起こす作用があります。

排卵が起きなければ、生殖能力つまり妊娠することができません。

排卵が起こり、妊娠が可能な身体になるために、身体にある程度の脂肪を溜めておくことが必要になります。


■妊娠した時に脂肪が増える理由

妊娠した時に体重が増える理由は、エストロゲンにより脂肪を蓄積する作用が起こるためです。

また、妊娠中の栄養状態を維持するためだけでなく、お産の際の出血や出産後の授乳など、出産前後に消費するエネルギーが大きくなります。

出産前後のエネルギー消費に備えて、妊娠時から脂肪を蓄えておく作用があるのです。


◎ 妊娠時期と脂肪の蓄積

妊娠すると胎児の成長に伴い、お母さんの体重も増えます。

妊娠期に皮下脂肪が増えるのは、胎盤から分泌されるエストロゲンの影響であることが分かります。


2.エストロゲンによる内臓脂肪への影響は?

内臓脂肪とは、お腹の中にある腸と腸の間を固定して正しい位置に保つ、「腸間膜」と呼ばれる場所に蓄積する脂肪のことです。


◎エストロゲンと内臓脂肪の関係

エストロゲンと内臓脂肪の関係は次の通りです。

• エストロゲンが増えると内臓脂肪が減る

• エストロゲンが減ると内臓脂肪が増える


女性ホルモンのエストロゲンは、分泌が増えると内臓脂肪を減らす作用があります。

逆に、閉経などにより分泌が減ってしまうと、内臓脂肪が増えてしまいます。


3.内臓脂肪とメタボリックシンドローム

内臓脂肪は、メタボリックシンドロームの診断基準としても用いられるものです。

内臓脂肪が蓄積することで、様々な生活習慣病を引き起こすと言われています。


◎皮下脂肪はメタボにはならない!?

月経を迎えている女性の場合は、エストロゲンの分泌作用により、内臓脂肪が溜まりにくく、その代わり皮下脂肪が蓄積されます。

皮下脂肪はお尻に溜まることにより、女性らしい体型を作ってくれる嬉しい作用もあります。


4.閉経後の女性は肥満になりやすい

肥満とは身体が太った状態のことを表しますが、「女性は閉経後に肥満になりやすい」と言われています。

男性の場合は、年齢に関係なく肥満の割合は一定数見られますが、女性は閉経前後によって割合が変わります。


◎皮下脂肪は女性にとって必要なもの

女性ホルモンであるエストロゲンは、皮下脂肪を蓄積し内臓脂肪を減らすなど、女性の栄養エネルギー代謝に関わっています。

これらは全て、妊娠するための準備のためです。

女性の身体に皮下脂肪と内臓脂肪が正しい割合で分泌されている方が、栄養状態がよく妊娠しやすいことが分かります。


思春期が始まると皮下脂肪の蓄積が増え、月経を迎える。ある程度の皮下脂肪が蓄積しなければ、月経が始まらない。

女性ホルモンと脂肪の関係は、医学的に解明されつつあります。