人工中絶は保険適用外の為、全額自己負担になります。そのため、通常の診察よりも高額になることが特徴です。
今回は、人工中絶にかかる費用を時期別に解説させて頂きます。
◆中絶費用は保険がきかない
人工妊娠中絶手術の費用は、保険が適用されないため全額自己負担となります。
費用は施設によって異なりますが、7万円〜20万円が相場となっています。
◆中絶手術の時期と費用の違い
人工妊娠中絶には、時期によって手術方法や費用などが異なります。
妊娠11周目6日までの場合は初期中絶、妊娠12周目以降は中期中絶に分類されます。
それぞれの時期にかかる費用について見ていきましょう。
[初期中絶にかかる費用]
妊娠11週6日までに中絶手術を受ける場合、初期中絶と呼ばれます。
初期中絶の費用の相場は、7万円~20万円と言われています。
[中期中絶にかかる費用]
妊娠12周目以降の中絶のことを、中期中絶と言います。
中期中絶の費用の相場は、入院、検査、手術費用で、30万~50万円と言われていますが、各施設によって異なります。
中期中絶は母体への侵襲も大きくリスクも高くなり、管理も大変になるため初期中絶よりも費用も高くなります。
人工中絶をすると決断したのであれば、手術はできるだけ早く行ったほうが賢明です。
また、中期では、役所に胎児の死亡届を提出し、火葬許可証を発行してもらい、火葬をすることになります。
火葬や埋葬にも費用がかかります。
なお、当院では中期中絶手術は行なっておりません。
◆中期中絶は一時金が利用できる場合がある
中期中絶は初期中絶よりも高額になり、費用面での負担や不安を抱える方も少なくありません。
中期中絶の場合、出産育児一時金の支給を受けられることもあるのです。
→約40万円ほど支給される場合がある
一時金の支給額は、産科医療補償制度に加入している病院であれば42万円、加入していない病院であれば40.4万円です(平成27年1月以降)。
[一時金が支給されるケース]
人工妊娠中絶の一時金が支給されるケースは、次の場合です。
●胎児に異常が見つかった場合
●母体の健康状態が出産に耐えられず中絶を行う場合
このような場合は、出産一時金が支給されることがあります。
ただし、経済的な理由による中絶の場合は、給付を受けることはできません。
★直接支払い制度の利用も可能
一時金が支払われる場合、「直接支払制度」を利用することも可能です。
これは、一時金の請求と受け取りを本人に代わって医療機関が行うもの。
一時金が医療機関に直接支払われるため、退院時にまとまったお金を用意する必要がなくなります。
また、病院によっては「受取代理制度」を実施しているところもあります。
ただし、すべての病院がこれらの制度を取り入れているわけではなく、申請にも時間がかかってしまうため、中絶の場合は制度を利用せずに、自分で支払った後で給付を受けることが多いようです。
今回は、中絶手術にかかる費用を時期に分けてお伝えしました。
初期中絶は母体への負担も少なく、費用も中期中絶手術より抑えることができます。
中期中絶手術の場合は、人工的に陣痛を起こして手術を行うため、母体への負担も大きく、死亡届などの手続きも必要になります。
中絶手術を早めに決断し、身体的・経済的な負担を少しでも軽くすることが大切です。