妊娠中絶を考えている方もいると思いますが、痛みは気になりますよね。
今回は、「妊娠中絶手術の痛みや術後の腹痛について」詳しくお伝えします。
◆妊娠中絶手術には痛みがある?
妊娠中絶手術には痛みを伴う処置などがあるため、痛いと感じる場面もあります。
中絶手術中は麻酔を使用して処置を行うため、強い痛みを感じることは少ないですが、中期中絶手術のみ、人工的に陣痛を起こすため痛みがあります。
痛みの感じ方には個人差もありますが、初期中絶の場合は、主に手術前と手術後に痛みを感じる事が多いようです。
◆中絶手術の前処置
妊娠中絶手術を行う前に、前処置として子宮の入り口である「子宮口」を広げる操作を行います。
中絶手術は、子宮の中に器具を入れて掻き出す「搔爬法(そうはほう)」と呼ばれる方法や専用の吸引器で吸い出す「吸引法」のどちらかの方法で行われます。
中期中絶手術では、胎児がある程度育っている状態なので、人工的に陣痛を起こして分娩という形で手術を行います。
これらの操作を行うために、手術前に子宮口を広げる処置が必要になるのです。
◆人工妊娠中絶の前処置の方法
前処置の方法としては、ラミナリア稈と呼ばれる細い棒状のものを子宮口の入り口に挿入します。
ラミナリア稈は、海藻から出来ているため、水分を吸収しながら少しずつ膨張し、子宮口を広げていきます。
本数を増やしながら子宮頸管を広げ、中期中絶手術では最終的に十数本ほど挿入します。
◆前処置の痛みについて
ラミナリア稈を挿入し、子宮口を広げるため、出産経験のない女性の方が痛みを強く感じると言われています。
痛みが強い場合や苦手な場合は、麻酔を使用することもできるので医師に相談してくださいね!
◆中絶手術中の痛みについて
中絶手術中の痛みに関しては、中期中絶手術の方が強い事が特徴です。
初期の中絶手術では、麻酔が効いた状態で操作を行うため痛みを感じることは少ないです。
しかし、中期中絶の場合は初期の中絶手術と異なり麻酔を使用しません。
プレグランディンと呼ばれる子宮収縮を促す薬剤を使い、人工的に陣痛を起こして分娩するため、出産と同様の痛みがあります。
分娩後は搔爬法と呼ばれる方法で子宮内に残った胎盤を掻き出す操作を行いますが、初期中絶と異なり麻酔が効いていないため痛みを感じます。
◆中絶手術後の痛みについて
中期中絶手術の術後は、子宮収縮剤の影響で子宮が引っ張られるような痛みや違和感があります。
そのため、手術後に腹痛を感じる人もいます。
また、初期中絶も中期中絶も術後は子宮内に組織が残ることもあります。
子宮内に残った組織は自然に排出されますが、その際に生理痛に似たような痛みを感じることもあるようです。
※腹痛があって出血があっても、通常の生理程度であれば問題ありません。ただし、出血が長期間に続く場合や、鮮血・激痛を伴う場合はすぐに診察を受けてください。
◆精神的な緊張も痛みを強める事がある
痛みの感じ方には個人差があります。
中絶手術の前処置で痛みを感じないという人もいますし、我慢できないほど痛みがあると答える人もいます。
物理的な痛みだけでなく、過度な緊張で刺激に敏感になり、痛みを強く感じることも。
些細なことであっても医師や看護師に相談をして、不安を緩和して安心した状態で手術に臨む事が大切です。