「風疹(ふうしん)」とは、ウイルス感染によって発症する病気の一つです。

熱が出るなどの風邪に似た症状が見られますが、妊娠初期の妊婦さんが感染すると胎児に影響を及ぼすと言われています。

風疹は母子感染を起こす可能性が高いため、妊娠前に風疹の予防接種を受けるなどの対策が必要です。

今回は、風疹が妊婦に与える影響や母子感染を予防するための方法について解説します!



【風疹とは?】

風疹とは、風疹ウイルスによって感染する感染症のことです。

・リンパ節が腫れる

・発疹という赤い点々が現れる

発疹は顔や耳の後ろを始め全身に広がりますが、3〜5日程度で自然に消えることが多いです。
中には発疹の症状が出現しない人もいます。



【風疹の合併症】

風疹は妊婦さんがかかると大変って聞いたことがあるんだけど、本当なのでしょうか。

妊婦さんが風疹にかかるとお腹の中の赤ちゃんに影響を与えてしまうことがあります。それを、先天性風疹症候群って言います。その他の合併症についても詳しく説明します。

代表的な3つの合併症について詳しく見ていきましょう。



●先天性風疹症候群

先天性風疹症候群とは、妊婦さんが妊娠初期に風疹に感染することで、生まれてきた赤ちゃんに心臓や耳、目などに重い合併症を起こすことがある病気です。

妊娠3ヶ月頃までの妊娠初期に感染する妊婦さんが多いと言われています。

妊娠初期は、赤ちゃんの大事な臓器が作られる時期でもあるため、風疹に感染すると様々な影響を及ぼす可能性が高いです。



●脳炎

稀ではありますが、脳にまで、炎症を起こしてしまうことがあります。

軽いときは、頭痛、嘔吐などの症状で済みますが、重症化すると、痙攣(けいれん)や意識障害を起こすことがあります。



●血小板減少

これも稀ではありますが、血液の中の、血小板(ノリのような役割で血液を固める成分)が減ってしまい、出血が止まりにくくなることがあります。



★風疹にかかってしまったら?治療法は?

もし風疹にかかってしまったら、どうすれば治るの?治療法はある?妊娠していると特に心配だし不安…。

妊婦さんはお腹の赤ちゃんに影響を与えてしまうから心配ですよね…。実は、風疹ウイルスそのものを退治うする特効薬はないのです。

風疹そのものに効果がある薬はありませんが、症状を和らげたり合併症が起こらないように管理することで治療を進めていきます。



☞発熱や倦怠感がある場合は?

妊娠初期に風疹にかかった場合は、つわりで苦しい時期と重なり、 体調が崩れやすかったり、脱水になりやすかったりします。

発熱や倦怠感がある時は、休息と水分補給をしっかりしましょう。

体が抗体を作りやすい状態にしてあげることが大切です。



★風疹を予防する方法は?

風疹を予防するためには、マスクや手洗いなど、日常生活で気を付ける方法から予防接種という方法もあります。それぞれの方法について、詳しく説明致します!


●マスク・手洗い・うがい

風疹ウィルスは、飛沫感染が基本な感染ルートなので、マスクをつける、

手洗いやうがいをして、ウィルスを取り除くことが大切です。


●風疹ワクチンを接種する

*子供の場合

1歳の時と、小学校に入学前1年間、計2回打つことで、 風疹を予防することができます。


*大人の場合

女性だけではなく、男性も妊娠する可能性がある自分の配偶者に感染させないように、予防接種を受けましょう。

女性の場合、ワクチンを打つ前に妊娠していないことを確認しておくことが大切です。

また、風疹ワクチンを打ってから2ヶ月間は避妊しましょう。

自分が風疹に対して抗体を持つ(免疫力がある)場合、風疹ワクチンの注射は必要がありません。

自分が風疹に対する抗体を持っているかどうかは、血液検査で確認できます。


※すでに妊娠してしまっている場合

すでに妊娠してしまっている場合は、風疹の予防接種を受けることはできません。

妊婦検診の血液検査などで風疹の抗体が少ないことが分かった場合は、風疹にかからないよう予防する必要があります。

人混みを避けることや夫や周りの方にも抗体検査を受けてもらい、抗体が低い場合は予防接種を受けてもらうことを相談しましょう。



★赤ちゃんの健康を守るために

風疹は流行を繰り返しているため、予防を心がける事が必要です。

特に妊娠を希望している女性は、妊娠前に風疹の抗体チェック&予防接種を受けておくことが、赤ちゃんの健康を守ることにつながります。

また、風疹は男性の方が感染しやすいとも言われているため、自分だけでなく夫やパートナーにも協力してもらい、周囲と一緒に予防していきましょう!