さて、今回は前回の続きで、更年期の診察の流れや、具体的な治療法についてお伝えいたします。
◆更年期の診察の流れ
採血をしてホルモンの状態を調べます。
簡単なチェックシートも記入して頂きます。
そしてそこから治療法を選んでいきます。
◆更年期の治療方法
希咲クリニックでは患者様に合った治療法をご準備しております(^^)
簡単にですが、どんな治療法があるのかご紹介させていただきます!
女性ホルモンを補う「ホルモン補充療法(HRT)」や漢方薬による「薬物療法」「プラセンタ注射」などがあります。
【ホルモン補充療法(HRT】
足りなくなった女性ホルモンを、必要最低限に補充してあげるという考 え方です。
子宮がまだ残っている方に対して、エストロゲンの投与だけではなく、 黄体ホルモン(プロゲステロン)を、子宮体がん予防するために、同時に投与すべきだと言われています。
発汗やホットフラッシュ、不安感や疲労感の症状が緩和されます。骨粗 鬆症予防にもなると言われています。
種類がいくつかあり、飲むタイプ・塗るタイプ・貼るタイプがあります。 エストロゲン製剤は、塗るタイプ、貼るタイプ、つまり、経皮吸収の製剤の方が、血栓症という副作用が殆ど認められないと言われています。 日本産婦人科学会から、HRTのガイドラインが出ています。いくつかの 要点を抜粋して説明します。HRTの対象外として、既に乳癌や子宮癌の 疑いを持っておられる方、重度な活動性の肝疾患を持っておられる方などです。
また、HRT使用される場合、5年間くらいが目安と言われてい ます。5年間くらいであれば、乳癌のリスクは、HRT投与されていない 人とは、有意差がないと言われています。しかし、5年間以内の投与で、 心筋伷塞、脳伷塞の減少に繋がると報告されています。
【薬物療法】
漢方、ホルモン補充療法(HRT)などがあります。
漢方は、更年期に伴う不定愁訴や、発汗、ほてりに効果があると言われますが、個人差はあります。
また「イライラする」「憂鬱になる」など更年期特有の心の不調には、 漢方が効果的だとも言われます。
ただし漢方薬は、体質にピッタリあった薬を服用することで効果が発揮 されます。
受診していただいて最適な漢方薬を探していきましょう(*^^)
【プラセンタ注射】
「プラセンタ注射」は哺乳類の「胎盤」のことです。
更年期症状に打つプラセンタは『メルスモン』という名前になります。
プラセンタに含まれる成分は体内のバランスを調整する働きがあると言 われます。
週に2、3回打つのが効果的です。
ホットフラッシュやめまい、不眠やうつ状態が緩和されると言われてい ます。
注射だけではなくゼリーや飲むタイプのプラセンタもご準備してます。
★☆ちょっとした豆知識☆★
『更年期症候群』と『更年期障害』の違いとは!
『更年期症候群』は心身の不調は感じるものの、日常生活に支障をきた すほどのものではないものです。
それに比べて『更年期障害』は症状がひどく、日常生活がままならない ほど悪化した状態にあります。
『更年期障害』とは更年期症状が悪化して、ひどい症状を生じていることを言います。
身体がだるい…眠れない…突然の汗…更年期かも?と不安に思われてい る方も多いと思います。
更年期の症状は我慢するものではありません。
今はお薬や注射など様々な選択肢がありますから、自分に合ったものを 見つけて、快適な生活を目指しましょう!
つらい症状は我慢せずに、 ぜひ一度受診してくださいね。
#どのタイミングに受診すればいいの?
よく皆さんが悩まれるのは、自分が本当に更年期なのかな、そして、いつ、どのタイミングに受診したら良いのか迷われる方が多いではないでしょうか。
僕はいつも皆さんに、以下の二つを大まかな目安にして下さいと説明します。
1)火照りや発汗、イライラなどを認め、これは更年期の症状かな?
2)あれ?月経が乱れているかな?
というときに、迷わずに、受診して下さい。
#更年期と思ったら、違う病気だった?
そのようなこともあります。
例えば、甲状腺ホルモンの乱れや、また、下垂体や卵巣に腫瘍などが出 来て、それらによって女性ホルモンの分泌がうまくいかなくて、更年期のような症状が出ることもありますので、自己判断せずに、必ず受診して下さい。