Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業

和(なごみ)クリニック院長、精神科医である 徳山まどか先生と、「認知症」と「物忘れ」の違いについてお話します。

認知症とは?

先生のご専門は、「認知症」ですよね?僕も心配なんですよね。

例えば、娘のオムツを取りに2階に上がったら、昔のCDを見つけて懐かしいなあと考えているうちに、「あれ?僕何しに来たんやっけ?」と忘れて1階へ降りて行くんですよね。娘の顔を見て、「あ、オムツや!」と思い出すんですよ。これって、ヤバイですかね?

それは大丈夫です。それは、単なる不注意ですね。元の場所に行って、娘さんの顔を見て思い出せたら、認知症ではありません。

そうなんですね。関西はボケやツッコミが好きじゃないですか。なにか失敗したら、「あかんわ~、ボケてるわ。」ってよく言いますよね。

ツッコまれて、そこで自分で気づければ大丈夫です。ツッコまれてるのに、「え?」って顔してると、ちょっと怪しいですね。

じゃあさっきの例でいくと、2階へ行って忘れてきたのに、奥さんに「あなた2階へ何しに行ったの?」と聞かれ「いや、2階へは行ってないよ。」ってなると、ヤバイですね。

今は高齢化社会ですし、年配の方と暮らしている方も多いですよね。両親や祖父母を心配されている方も多いと思うので、どんな風に区別すべきか例を教えて下さい。

認知症の具体例

例えば認知症の疑いがある方が、留守番をしていました。家族が帰ってきて、

「今日は誰かから電話なかった?」

「いや、なかったよ。」

「いや、〇〇さん電話したって言うてたよ。

「え、そんな電話なかったよ。」

ってなると、かなり怪しいですね。

初めは「電話なんかなかった」と思っていて、家族から「〇〇さんが電話したって言ってたよ。」と言われた時に、「そういえばそうやけど、内容なんやったかな・・。」だったら、認知症の一歩手前の「MCI」の疑いもありますかね。

「MCI」はなんの略ですか?

「MCI」は「Mild Cognitive Impairment」の略です。軽度認知機能障害のことです。

認知症と一言で言っても、ピンキリであるんですね。

スペクトラムになっていて、いきなりある時点から認知症になるわけではなくて、徐々になっていくイメージです。

なるほど。あとはどんな例がありますか?

例えば、

「今日は晩御飯何にしようか。」

「カレーが食べたい!」

「分かった。じゃあ、牛肉とかじゃがいも買ってくるわ。」

と話をしていて、帰ってきたらなぜか肉じゃがができてる。とかですかね。

「え?カレーって言うてたやん!」って言うと、

「そんなん言うてたっけ?」とピンとこない場合。

「昨日の晩御飯、何食べた?」「え~、何食べたっけ?」は割と誰にでもありますよね。でも、「〇〇食べたやん。」と言われても、「え~、食べたっけな?」となるとかなり怪しいですね。

なるほど。分かりやすいですね!

例えば、認知症になると日にちや曜日が分からなくなるんですね。ごみの日などは、分別がややこしく曜日も忘れてしまうので、ひさびさに実家に帰ると、ごみが溜まっていたりすると少し怪しいですね。

あとは買い物に行って、家にあるのに同じものばかりを買ってしまうなど。一人暮らしやのに、冷蔵庫開けたらなんで白菜が4つもあるの?とか賞味期限切れの食べ物いっぱいあるわ。など、久々に実家へ帰った時に、両親が認知症になってないかなど、さりげなくチェックするポイントですかね。

みなさん、どうですか?「認知症」と「物忘れ」の違い、分かりましたか?

まとめ

「物忘れ」・・忘れても指摘されると思い出せる。

「認知症」・・細かく説明されても、思い出せない。

・どんな人がなりやすいのか。

・認知症の方とどう接すればいいのか。

など聞きたいことはたくさんあるので、また次回詳しく教えてください。本日はありがとうございました。