Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業

今回は、「生理痛の痛み止め」について、ネルソン先生が詳しく解説します。

2つのテーマ

今日は大事なテーマが2つあります。

①「なぜ、生理痛があるの?」

②「生理痛の時、薬を飲んだ方がいいのか?」

この2つのテーマについて勉強したいと思います。

①なぜ、生理痛があるの?

そもそも、生理って何なんでしょう。

子宮の中には、子宮内膜と呼ばれる場所があります。これは、赤ちゃんを育てる大切な場所です。分かりやすく言うと、赤ちゃんが子宮の中で寝ているお布団ですね。この子宮内膜は、妊娠しないと必要ないので、子宮が収縮して外に押し出します。これが、生理となるんです。この時、子宮が収縮することによって、痛みを伴うことになります。

なぜ、子宮が収縮するのかというと体の中から、「プロスターグランジン」という炎症物質が出てくるんです。このプロスターグランジンが悪いやつで、子宮が収縮するときに、痛みを起こすのです。なので、みなさんの生理痛が起こっているときは、このプロスターグランジンが増えていくのです。

②生理痛の時、薬を飲んだ方がいいのか?

次に、2つ目の質問です。

生理痛がひどい時、痛み止めを飲んだ方がいいのか。 それとも飲まない方がいいのか。 についてですが、はっきり言うと「もっと早く飲んでください!」というのが、多くの産婦人科医の見解です。 それは生理痛の犯人である、プロスターグランジンが徐々に増えていき、Maxまで増えてしまうと、痛み止めを飲んでも、少ししか痛みは和らぎません。 なので、また痛み止めを飲む。 そして、少しだけ痛みを和らげる。 この繰り返しになってしまうので、結局初めに我慢してしまうと、多くの薬を飲んでしまうことになるのです。

なのでまだ痛み強くなっていないけど、痛くなる前兆ってありますよね。明日、痛くなりそうだなと思ったら、先に薬を飲んでください!痛みの前兆を感じている時は、プロスターグランジンが少しずつ上がってきているんです。なので、早めに薬を飲むことで薬の量を減らすことができます。

まとめ

生理痛がある方は、痛みを少しでも感じた時や前兆を感じた時、早めに薬を飲んでください。痛み止めによっては、胃を荒らす薬もあります。心配であれば、お医者さんに相談して胃薬も一緒に出してもらうようにしてくださいね。もし、お医者さんに行く時間がない場合などは、痛み止めを飲む前に牛乳などを飲んでおいてください。牛乳などの乳製品は、胃の粘膜を守ってくれる作用がありますので、体に優しいです。

以上。痛みを我慢しないようにしてくださいね!