Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業

ホームケア専門エステティシャンLilyさんと「高齢出産のアドバイス」についてお話します。

高齢出産の定義

今回のテーマは「高齢出産のアドバイス」についてです。今、大変多いお悩みだと思います。

ちなみに、高齢出産の定義って、みなさん考えたことありますか?

なんでしょう。初産が何歳からとかですか?

時代によって変わってきていますが、今は赤ちゃんを出産時35歳以上だと高齢出産となります。

そんなに若いんですか?!

そうなんです。

この高齢出産の何が問題かというと、合併症のリスクがあるということです。血圧が高くなったり、糖尿病になったりとさまざまなトラブルを起こしやすいんです。

あともう一つ。妊娠するには、精子と卵子が必要ですよね。この精子と卵子には大きな違いがあります。精子は常に新しいものが作られていていますが、卵子はお母さんのお腹の中にいる胎児のころからあります。つまり、卵子は年齢の分、歳をとって古くなっていきます。また、卵子は歳を重ねるごとにどんどん減っていきます。20歳から30代ぐらいまでは、卵巣の中に20~30万個ほど卵子が残っていると言われています。

アドバイスとしては、当たり前ですが、高齢出産になるまでに妊娠しておくことです。今の時代40代でも妊娠される方も珍しくありません。40代だけどまだ妊娠できる。大丈夫と勘違いされる方もいますが、それは違います。妊娠すること「も」あるということです。流産の危険も多くなるし、妊娠にたどり着くまでも難しくなってきます。妊娠する体のベストコンディションは、20代30代です。

例えば、卵子をフレッシュな状態にしておく方法はないんですか?年齢とともに古くならないように、ケアできないもんですか?

サプリや薬で、卵子がフレッシュに保たれるというものがあればいいんですが、まだエビデンスはありません。

どうしても心配だったら、卵子を凍結してしまうのがいいですね。それは、不妊治療専門のクリニックに相談してみてください。

あとは一般的なことになりますが、規則正しく生活することです。バランスのよい食事と適度な運動、そして塩分を控えてください。塩分をたくさんとると血圧が上がりやすいからです。歳を重ねると血管が固くなり、血流が悪くなります。だから高齢出産になると、妊娠高血圧症候群になりやすくなるんです。血圧が高くなると、血流が悪くなり血管がボロボロになって母子ともに危険な状態になってしまいます。

以上になります。ありがとうございました。