Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業

イベントMC/歌手/タレント/と多方面で活躍する優希菜さんと「ネルソン先生の人生の転機」についてお話します。

3つの転機

今回は、先生の人生の転機についてお話いただきたいと思います。何かありますか?

そうですね。

大きく言うと3つあります。

産婦人科医として開業もして、実家もお金持ちでは?と思われるかもしれませんが、実はとても貧乏です。実家は、ナイトマーケットで屋台をやっていて貧乏でした。そんな僕が今、医者をしていられるのには転機がありました。

まず一つ目は、日本に来たことです。両親にあこがれの日本に行きたいとお願いして、両親に借金してもらい日本に来ました。

二つ目は、長男が生まれたことです。その頃、僕は研修医でしたが、産婦人科医だけはなりたくないと思っていました。でも、長男が生まれたことで、お世話になった産婦人科医になることを決意しました。

三つめは、怪しいおっさんとの出会いです。実は僕、2010年に大阪の参議院選挙に立候補したんです。

そうなんですか!?

もちろん落選しましたよ(笑)

でも、10万人程の人が投票してくださったんです。その落選した時に、あやしげなおっさんが近づいてきて「ネルソンさん、あなたのこと気にいりました。開業してみない?」と言われたんです。

その時は、まだ開業されていなかったんですね?

そうなんです。

総合病院で働いていました。でも、突然でびっくりしますよね。でもその方が、「僕は建物をいくつか持っているから、そのワンフロアを使って開業しなさい」と言ったんです。「失礼ですが、何をされている方ですか?」と聞き返すと、「不動産やってんねん」と言いました。でも、不動産ってなんか怖いイメージじゃないですか?深い業界ってイメージだったんです。世の中そんなうまい話はないと思い、無視したんです。

そしたら、2週間後に「会いたいです」と電話があったんです。待ち合わせ場所に行くと、知らない男性が5人ぐらいいたんです。怖かったですよ(笑)すると「この人たちは、弁護士・税理士・コンサル・・、ネルソンさんの開業サポートチームです。」と言ったんです。さらに「家賃安くするから、テナント入りなよ。テナントに入る初期費用もいらんわ」って。怪しいでしょ?(笑)

怖いですね。

そうなんです。

場所を聞くと、「十三です」って言われたんです。いわゆる歓楽街ですよね。だから、きっとこのおっちゃんが持っている建物って、ラブホテルとラブホテルの間にあって、もういつ潰れてもおかしくないような場所なんだと思ったんです。だから、誰も入りたがらないから僕に勧めてきたのかなと思って。

だから、次の日こっそり見に行ったんです。すると、十三の駅から徒歩1分の一等地でした。まさかと思って、テナント募集と書いてある固定電話にわざと電話してみたんです。すると、まさかのあのおっちゃんが出たんです!「こんないい物件、なんぼでも入るんじゃないの?」って言うと、怒られました。「問い合わせもあるけど、ネルソンさんのためにとってあるんだよ」って。

でも、僕は選挙にも出たし、お金がなかったんです。家のローンも始まったばかりだし、選挙で借金もしてそんな僕に銀行はお金なんか貸してくれませんよね。なので、理由を説明し低調にお断りしたんです。すると2週間後、某有名銀行の支店長さんから「会いたい」と電話があったんです。会いに行くと、まず第一声に「君は、社長の隠し子なん?」と聞かれました(笑)違いますと答えると、「なんで、ここまでやってくれるの?」と言われました。実は、そのおっちゃんは社長で、銀行に自分の土地や建物を担保に入れ、連帯保証人にもなってくれていたんです。銀行にも、「これで文句ないやろ。ネルソンが開業に失敗したら、全部持っていけ!」と言ってくれたんです。

銀行は、毎年社長と多額の取引があったので、ぼくに「頼むから、開業して」って逆にお願いされたんです(笑)それで、十三で産婦人科を開業したんです。だから、社長に恩返しをしたいなと思って、今までにない産婦人科を作ろうと思ったんです。

産婦人科は、子宮や卵巣などの下半身専門で、実は乳房は専門外なんです。でも女性は乳房の病気にもなりますよね。でも、乳腺外科も産婦人科もある病院って、総合病院しかないんです。なので、同じ病院で診療できるように、乳腺外科の先生にお願いして、うちで診察をしてもらっています。

なるほど。

同時に診てもらうことができるんですね。

そうなんです。

だから、街のクリニックで産婦人科も乳腺外科もあるクリニックは関西で初めてです。この5年間で100人以上は、乳がんの患者さんを見つけました。なので、その社長にいつも「あなたのおかげでまた今日も1人の命を救えましたよ。不妊治療でまた新しい命が生まれましたよ」って話をします。それが、僕ができる社長への恩返しかなと思います。

なるほど。

すごく大きな転機ですね。

そうですね。

三つ目の転機が大きかったですね。

そうやってできたのが、この「希咲クリニック」なんですね。貴重なお話ありがとうございました。