Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業
MC/ナレーター/マナー講師と多方面で活躍する首藤優美さんと、「つわりの対処法」についてお話します。
つわりの原因
今回のテーマは、「妊娠中、つわりの症状は人によって違うの?軽減できる?」というテーマです。
私の周りの友達でも、全然つわりがない子もいれば、一日中寝ていますっていう子もいます。どういう人がひどくなりやすいとかあるんだったら、いつかに備えて知っておきたいなと思いますね。
まずは、つわりの症状が人によって違うのか?っていうところを知りたいです。
実は、人によって違うだけではなくて、同じ人でも別の妊娠では症状が違います。
一人目はしんどかったけど、二人目は楽だった。とかですね。それも聞いたことありますね。
そうなんです。
その人の体質によるというより、それぞれの妊娠によって違うんですよね。妊娠すると、赤ちゃんがまずできますよね。その赤ちゃんが成長するための栄養は、どこから来ると思いますか?
へその緒ですか?
そうです。
そのへその緒はどこにつながるんですか?
胎盤!
正解です!
赤ちゃんの体を維持するために、胎盤からへその緒を通って運ばれてきます。では、この胎盤はいつから出来上がるんでしょうか。実は、妊娠15、16週以降に出来上がってきます。つまり、それまでは胎盤がきちんと出来上がってないんです。
はい、先生!
妊娠経験がない者は、妊娠を週で数えたことがないのでどれぐらいか分からないんですが、何ヶ月ぐらいのことですか?
大体4ヶ月ぐらいですね。
そんなになるまで、できないんですね!その間は、どうやって育っていくんですか?
いい質問ですね。
胎盤が出来上がるまでは、子宮や卵巣からたくさんのホルモンが出されます。そのホルモンが赤ちゃんの栄養となります。なので、胎盤ができるまでお母さんの体の中は、ホルモンの変化がすごいんです。今までなかったホルモンが急に出たり、または急激に下がったり、激しい変化を起こすんです。
そのホルモンの中には、脳の「嘔吐中枢」を刺激するものもあります。なので、吐き気止めを飲んでもおさまらない人もいます。
吐き気止めを飲むのはOKなんですか?
種類によりますね。
妊娠中でも飲んでいい吐き気止めもあります。でも、それを飲んだからといって必ずつわりが治るかというと、そうではありません。なぜかというと、脳の嘔吐中枢が刺激されているからです。だんだんと胎盤ができ、へその緒から栄養が送られるようになると、お母さんの体のホルモンも落ち着いてきます。なので、つわりも落ち着いてくるということです。
対処はできる?
なるほど。
じゃあ、妊娠初期が一番しんどいんですね。ちなみに、食事や環境で少しでもつわりを軽減させる方法はあるんですか?
個人差があるので、スタンダードなマニュアルのようなものはありません。
匂い一つとっても、人によって苦手な匂いが違ってくるので、模範解答はないんです。結局、ご自身でいろいろ試していただくことが一番です。大切なのは、脱水・栄養不足に気をつけることです。つわりがひどくなると、体重が減って赤ちゃんに与える栄養が減ってしまいます。だから、お母さんが我慢できるから大丈夫ってことではないんです。
食べ物を見たら気持ち悪いけど、赤ちゃんのために頑張って食べるのがいいんですね。
でも無理すると、また吐いてしまうんですよ。だから、水分を必ずとることが大切です。水分も取れない、もしくは一ヶ月で2・3kg体重が減ってしまうなど辛い状態になった場合、病院に相談してください。場合によっては、点滴もできます。我慢しないことです。
気軽に相談してもいいものなんですか?
いいです。
人によっては、遠慮される方もいますが、相談してください。
みんなもあるって思って、我慢している人もいると思うんです。でも、点滴なり吐き気止めなり、対処する方法があるということですね。
あと、自分の症状で決めないでください。我慢できるからではなく、赤ちゃんに栄養が届いているかが大切なんです。調べる基準もあって、検診の時に、尿の中に「ケトン」という物質が出ていないかどうかを調べます。つわりがひどくて、体が糖分を栄養として使えなくなったら、タンパク質や脂肪を栄養にしようとします。そうすると、普段は出ない「ケトン」という物質が出てきます。なので、栄養が足りていないと分かります。
あと体重がすごく減ってしまっても、病院に相談した方がいいですね。
じゃあ、つわりは人によって症状も違うし、つらさを軽減させられるか分からないけど、試してみる対処はいくつかあるから、お医者さんに気軽に相談してみるといいということですね。その他にも、不安なことがある方は、ぜひコメントいただければと思います。
今日は先生、ありがとうございました。