さて、今回は更年期についてお話ししていきます。


更年期には様々な症状があるので、すぐに更年期と気が付くことも難しいですよね。


なんとなくしんどいまま、毎日を過ごしてしまう方も多いはず。


しかし、更年期にはいろんな治療法があります。様々な治療方法を知っていることは、自分自身のためにもとても良いことです。


更年期なんて怖くない!と思えるように、症状や治療法の知識を身につけましょう。



◆更年期とは?

女性は年齢とともに4つのライフステージ

(思春期・性成熟期・更年期・高齢期)を経験します。


個人差はありますが50歳前後の年齢で閉経を迎え、この閉経の時期をはさんだ前後10年間を”更年期”といいます。


年齢を重ねるごとに卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン) の分泌が急激に減少することでホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調があらわれたりします。


更年期の症状は女性ホルモン(エストロゲン)の減少だけでなく、心理 的な要因(仕事や家庭環境など)も複雑に関与するため、個人差が激しく、全身のあらゆる箇所にあらわれます。


色々な症状がありますが、自覚症状の無い方もいるので、以前とは違うなと感じた際は婦人科へ受診しましょう。
そのまま放置しておくと症状が悪化する場合があるので早めの受診をオススメします。


◆更年期の落とし穴

女性ホルモン・エストロゲンの急激的な減少によって様々な更年期症状 (発汗、ほてり、イライラなど)が現れることが多くて、みなさんもついついこれらの表面的な症状ばかり気にしてしまいます。

でも、もっと 大事なポイントは、最初は症状が殆ど出なくて、いざ症状が出るときに、 日常生活に大きな障害を来たすかもしれない病気を招いてしまうかもしれないということです。


実は、エストロゲンがずっと欠乏すると、高脂血症状や心筋伷塞、脳伷塞、骨粗鬆症(骨折で寝たきりになる可能 性も)などが起こりやすいというデータが出ています。

何故ならば、エストロゲンは、女性の生殖機能だけではなく、女性の体が丈夫になるように、そして妊娠という大変なイベントに耐えられるように、キープしてくれるのです。

エストロゲンが急激に減少してしまうと、コレステロールの代謝機能が弱まって、血管が詰まりやすくなったり、骨密度が 低下したりします。そのために、閉経したときに適切にホルモン補充療 法を行うのは、更年期の症状を緩和する以上の意味があります。それは、 女性の体を丈夫にして、セカンドライフにおいても、健常な生活を維持できるようにするためです。


次回は、更年期の診察の流れや、具体的な治療法についてお伝えいたします。