今回は乳腺のマンモグラフィーと超音波(エコー)について解説させて頂きます。


■マンモグラフィー

乳腺専用のレントゲン検査のことです。

2枚の板で乳房を挟み、乳房を薄くのばして撮影します。

薄くのばすことでしこりとその周囲にある正常乳腺の差を際立たせることができます。

★マンモグラフィーは放射線技師が撮影します。

マンモグラフィーでは、乳房のしこり(腫瘍)の有無、大きさや形、ガンの疑いがある微細な石灰化の有無がわかります。

レントゲンと同じ原理で石灰化物は白く映ります。
(石灰化とは、がん細胞が死んでカルシウムが沈着したもののことです。)


◆メリット

・乳がんを早期発見することができます。

・乳房のしこり(腫瘍)の有無、大きさや形、石灰化の有無がわかります。

・触診では発見できない小さなものでも発見することができます。


◆デメリット

・放射線を使って検査をするため妊娠中の方、授乳中の方は受けることができません。

・乳腺が発達している10代~30代の方の場合、乳腺が白く映り込んでしまうので

正しい判断ができないことがあるので、健診でマンモグラフィーのみを受けることはオススメはできません。(症状がある方、もしくは身内に乳癌、卵巣癌の既往がある患者様は、エコーとマンモグラフィーをセットで受けて頂き、診断をします)

ですので、マンモグラフィーでの健診は40代以上の方にオススメです!

・個人差はありますが、多少の痛みがあります。

特に、月経前1週間くらいは乳房が張って痛みを感じやすいので月経後1週間~10日後が良いかもしれません。



■超音波検査(エコー)

乳房に超音波を当てることでリアルタイムで腫瘤などの病変を検出する検査です。

乳房にゼリーを塗り超音波を出す機器を胸に当て検査します。

ごく細い糸状の構造をした線維性の組織を黒く映し出す性質があるため、

乳腺は白く、ガンの疑う病変は黒く浮かび上がります。

乳腺の影響を受けにくく診断できる為、乳腺組織が発達した20~30代の方にオススメです!


◆メリット

・妊娠中の方や授乳中の方でも受けることができます。

・リアルタイムで検査結果がわかります。

・痛みはありません。

・マンモグラフィーではわかりにくい、小さなしこりを見つけることができます。

◆デメリット

・がんではない良性のしこりも映ってしまう為、良性か悪性か見分けるのが難しいです。

・エコーで発見できるのは数ミリ程度以上のものであるため、ごく小さな癌細胞の死骸である石灰化を見つけるのは困難です。



検診を受けられたことのない方は是非、受けてみてくださいね。