Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業

病院勤務と並行してフリーで性教育の活動を行っている助産師まゆさんと「流産について」お話しします。

助産師まゆさんの経験談

ちょっと重たいテーマな感じがしますが「流産について」。これね、避けれない話ですよね。実際統計によると妊娠した妊婦さんの中で15~20%の人が流産を体験している。

先程聞かせて頂いたんですけど、実はまゆさんも流産体験されたんですよね?プロの助産師さんでも体験する、、そしてこの話を今日は皆さんにシェアするんですよね?

はい、大丈夫です。

まず是非、まゆさんの経験を聞かせて頂ければ!

いつ頃流産したんですか?妊娠何週目ぐらいとか

妊娠の10週でしたね。赤ちゃんの心拍が確認できた後です。

妊娠10週といったら、2~3センチで頭とか小っちゃい手と足が見えてね。

お腹痛いとか出血とか特に何も症状がなくて、 流産してるなんて思いもせず、 妊婦検診に行って 内診台に登って、 「あっ止まってる」 って。

赤ちゃんいるけどチカチカ(心拍)が見えないという感じだった?

そうですね。私の場合はちょっと日にちが経ってたので、赤ちゃんが浮腫んで見えたっていう感じですね。

もちろんショックだと思うけど、どんなお気持ちでした?

助産師の知識もあるので、赤ちゃん側の原因だったりとか、特に妊娠初期の流産はどうしようもない部分が大きいのは頭では分かってました。 赤ちゃんの心拍が確認出来たらちょっと安心みたいな感じがあったので、心拍確認出来てからでも流産するんだなって、 、「でもあるわなー」 と知識がある分、冷静な部分もあって。

でもやっぱりこれせんかったら良かったかなと、つい思ってしまうのと、「何が悪い」とかはないという事を頭ではわかってるので、もう本当にこの2つの行ったりきたりという感じでしたね。

そう思うと一般人の皆さんはもっと辛いでしょうね。 自分を責めてしまう人も多いでしょうね。

実はうちの嫁も流産したことがありまして、僕が診たんですよ!「よし、今日も赤ちゃん見れるわ」と思って超音波で見て、あれ?ちょっと見る角度が悪いのか?あれ?心臓動いてない?!と必死に探す中、嫁も「うん?なんかおかしい?」、、、

感情的にショックになっちゃうよね、、


流産を経験した方へ伝えたいこと

15~20%の方が流産を経験するって多いですよね。

実際に流産したってなった時にはじめて知人から「実は私も流産したことがあるねん」と聞かされて!

そう!今まで言えなかったですけどってね!

確かにそんなに大っぴらに言うことないですけど、「実は私もそうやったんよ」って言ってくれる人は結構いましたね。

知らないうちに妊娠初期に流産された方も沢山いらっしゃると思うんです。その方々も心の中でモヤモヤしてるとかね、私が何か悪かった?ていう方も多いと思います。

そこで、今日1番伝えたいこと。我々2人は妊娠とかお産の専門家です!それでも自分自身が流産になったり、嫁が流産になっても何もしてあげれない。それが人間という生き物なんだよね。そこをご理解いただきたい!

流産になったからと言って、昨日食べたものが悪かったとか、自転車漕いでたのが悪かったとか、あれやらなければ良かったのにとか思う必要は一切ありません! これを是非皆さんにお伝えできればいいかなと思います。


たくさんの方に本気で伝えたい

あと、私が思ったことは、日常生活に戻って流産の報告をしないといけない人とか出てくるじゃないですか。その時に「えっなんかしたの?」「無理しちゃったの?」って言葉がまだまだ日常生活の中に溢れてるんですよね、、

そう!皆さんこれも頭に入れてください!

もし誰かが流産した時に「どうしたの?なんかした?」言わないでくださいね!

もちろん今まで助産師の立場で言ってきたけど、もっと本気で言わなあかんなって。「それは違うんだよ」ってことを伝えたいなと思いました。

本人はただでさえめっちゃ悲しいのに周りに言われるともっと辛いよね。


専門家だからこそ伝えることができる

実は嫁にも感謝してることがあって。流産後、毎日ずっと泣いてて、流産した方は辛いだろうから「私のことをあなたの患者さんに言っていいからね」と言ってくれているんですよ。

患者様が流産されたときに言うんです。うちの嫁も流産したよって、産婦人科専門の医者として目の前でそれを診ても「どうしようもないんだ」って、あなたが何か悪い病気じゃないんだよと。それで大分気持ちが解放される方がいます。

だからまゆさんも助産師さんとして「自分もこういう辛い経験あるよ」っていうと、流産経験者の方たちの気持ちが解放されると思います。

実際これ事実なんですけど、大体初期の流産というのは、赤ちゃんが重度な奇形とか臓器を上手く形成できなくて生きていけない事が多い、だから神様が自然にながれるようにしてくれているよってよく伝えてます。

本当に本人からしたら、ちょっと寄り添ってくれるだけでいいし、何かこう言ってあげなきゃとか思わなくていいので「辛かったね」「しんどかったね」で十分です。

今日も大変勉強になりました!

是非、流産した方々・流産したと聞かされた方々、これを一つの参考にして自分の気持ちを整理して、また次のステップを是非目指してください!

今回はこれでありがとうございました!

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