Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業

助産師として、フリーで性教育の啓発活動を行うまゆさんと「性教育ガイダンス」についてお話します。

性教育ガイダンスとは

前回のお話から、「日本の性教育は遅れている」というお話でしたね。逆に僕は、海外ではどうなのか?国際基準みたいなものはあるのか?気になったんです。

そうですね。

ユネスコが「性教育ガイダンス」というものを出してるんですね。そこでは、レベル1からレベル4までに分かれていて、レベル1が5歳から8歳。そこでは「精子と卵子が結合することによって、赤ちゃんができるということを教える」ということになっています。日本の性教育では、中学校で習うことです。

だいぶ日本は遅れていますね。10年ほど遅れてるじゃないですか。

そうなんです。だから日本の中学生はレベル1ってことです。

次にレベル2になると9歳から11歳なんですが、「避妊(避妊具の使用)のことや、セックスをしないことで妊娠を防ぐこと」について学びます。あるいは、「性感染症の予防のこと」についても教えましょうということになっています。

じゃあセックスってなんですか?っていうのは、どのレベルで教えるんですか?

レベル2ですね。

セックス単体で教えるんではなくて、その行為でどういうリスクが発生するかも教えます。

9歳ということは、小学校3年生ぐらいですね。日本ではなかなかできないね。日本と比較すると、やっぱり早いですね。次のレベルは?

次はレベル3です。

レベル3までくると、妊娠中の体の変化や栄養のことについて教えます。日本でいうと、産婦人科でやっているマザークラスの同じような内容になります。レベル3は12歳から15歳なので、日本でいうと中学生ぐらいの年齢ですね。

レベル4になると、性的な関係をもつことにおいて、双方の合意が必要であることを学びます。

4段階に分けて、きちんと教えるんですね。

そうですね。

日本の中学生がレベル1って言いましたが、そこから教育が進むのかっていうと進みませんよね。レベル1だけやって終わるんですね。

なるほど。

ちなみにユネスコについてよく知らない方もいると思うんです。教えて下さい。

ユネスコとは

よく耳にすると思うんですが、簡単に言うと、ユネスコは世界の文部科学省のようなものです。国際連合教育科学文化機関です。

なるほど。

WHOが世界の保健所だとすると、ユネスコは教育や文化を世界で統括する機関という感じですね。世界遺産の登録なども、ユネスコが行っているんですよね。

そうですね。

その方が身近かもしれませんね。

なるほど。

勉強になりました。ありがとうございました。

性教育ガイダンス《ユネスコ》

レベル1(5歳~8歳)・・・精子と卵子、受精について

レベル2(9歳~12歳)・・・避妊(避妊具)、性感染症について

レベル3(12歳~15歳)・・・妊娠中の体の変化、栄養について

レベル4(15歳~18歳)・・・セックスには双方の合意が必要なことについて