Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業
公認会計士/税理士の松岡由紀子さんと「出費管理」についてお話します。
クレジットカードの落とし穴
公認会計士といえば、一般市民から見るとお金管理のプロですよね。
今回はなぜか貯まらない貯金について教えてください。
まずお金の流れというのが重要です。今日はそのお金の流れの例えをお話したいと思います。
お金がどのように入ってきて、どのように出ていくかがお金の流れですよね?
そうです。
それを専門用語で「キャッシュフロー(CF)」と言います。お給料は一ヶ月働いてもらうものですよね。すると出費と収入に時間差ができるんです。
例えば、お給料が入ったから5,000円を持って、服を買いに行くとしますよね。でも、どうしても欲しい服が7,000円なんですよ。そこで、クレジットカードを使います。すると物が手に入るし、よく見ると財布に5,000円が入ったままですよね。そこで錯覚して、また別のものに5,000円を使ってしまうんです。
でもよく考えてみると、クレジットカードの引き落としは次の月ですよね。なのでその5,000円は7,000円の服にあてがうために用意したお金なので、引き落とし時に2,000円ですんでいたはずなんです。でも、他のものを買ってしまったがために、出費が多くなってしまいます。実際に、引き落としの時は何の7,000円やっけ?と忘れてしまいがちです。このような出費が重なっていくことで、貯金がうまくできないことが多いです。
光熱費や携帯代も遅れて引き落としがありますよね。紙で見た金額が、いつの時間軸で引き落としがあるのか。この最後までの流れをきちんと把握しておくことが資金管理です。
出口まで見えませんもんね。でも世の中には、クレジットカードというものがありますからね。
決してクレジットカードが悪いわけではないんです。
私の場合、もし7,000円の服をカードで支払ったら、現金7,000円をすぐに封筒に入れておきます。そして次の月に、封筒からお金を出して引き落とし口座に入れます。その時に使ったものとして、財布から抜いておくんです。私は、あるだけあったら使ってしまうタイプなので(笑)
でもきちんと行動を起こしているのが、えらいですね。
封筒一枚あればできるんでね。来月分って書いておくんです。細かい端数まではいいと思うので、何千円単位でできればいいですね。
なるほど。他にどんなことがありますか?
企業の利益計算で、例えば売り上げが100万円で仕入れが80万円だと、20万円残るじゃないですか。でも、ない時があるんですよ。それも同じ仕組みなんですよ。企業も家庭も同じなんです。
時間差のある支払いに注意しないといけないですね。僕は、クレジットカードの枚数を減らそう(笑)
もちろん日々の節約が一番大切なのかもしれませんが、貯金が貯まらないわけを今回一つの例としてお話しました。
今回、キャッシュフローのお話をしたので、次回はもう少し詳しいお話をお聞かせください。本日はありがとうございました。