Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業

ホームケア専門エステティシャンLilyさんと「月経不順」についてお話します。

今回のテーマは「月経不順」です。もう少し詳しくお話いただけますか?

月経不順になりやすい人の体質ってあるんですか?

あります!

まず生理がなぜ来るかというと、卵巣の中に卵ができて、卵胞が破れて排卵がおき、生理が来るんでしたね。

この卵胞が体質的に、あまり育たない人がいます。もしくは育っても、中途半端にしか育たないとかね。大体、排卵するまで2cmぐらいまで卵が育つと言われています。それが、例えば1.5cmぐらいで止まってしまうと、排卵がこなくなってしまいます。そうすると、生理がうまくきません。

それは、元の体質ですか?それとも生活習慣が関係していますか?

現代の医学では、まだそこまで解明できていないんです。

卵胞が排卵すると、黄体と呼ばれるものになります。そこから黄体ホルモンが分泌されます。このような変化があると、きちんと生理がくるんです。逆に、排卵しにくい人は卵巣の中に、大きくならずに排卵されないままの卵がたくさんあることがあります。これを「多のう胞性卵巣症候群」と言います。超音波で見ると、細かいぷつぷつがいっぱい見えます。このような方の特徴としては、「肥満」「毛深い」「男性ホルモン(テストステロン)が多い」などです。この多のう胞性卵巣症候群は、生理不順の原因の一つなんです。

なるほど。

いろんな種類の方で、月経不順の方がいらっしゃるってことですか?

そうですね。

この多のう胞性卵巣症候群の方もさまざまで、個人差があります。例えば、2,3ヶ月に一回は育つのか。人によっては、全く生理が来ない人もいます。

なるほど。

人によってペースが違うんですね。じゃあ、多のう胞性卵巣症候群の方が通常のペースに戻そうと思っても、なかなか戻らないんですか?

このような場合、薬の力を少し借ります。どう治療するかは、妊娠したいか避妊したいかによって変わってきます。避妊したい方は、足りないホルモンを薬で補充してあげます。妊娠したい方には、卵が育つように刺激を与える薬を与えてあげます。

もし、生理不順がある場合、病院でこのような病気が隠れていないか、ぜひ調べてもらってください。

月経不順で妊娠できないのでは。と悩んでいらっしゃる方は、ぜひ病院に行っていただきたいですね。

そうですね。

あともう一つ、生理不順になる原因があります。それは「体重」です。Lilyさんは「理想体重」という言葉を聞いたことがありますか?

はい。適正体重のことですよね?

そうです

BMIが22というのが理想だと言われています。Lilyさんの身長は?

165cmです。

身長から理想体重を計算できます。

まずは、cmをmに変えます。165cmを1.65mに。これを二回かけて、さらに22を最後にかけます。すると理想体重が出てきます。

1.65×1.65×22=59kg

Lilyさんの場合、59kgが理想体重になります。この理想体重の80%以下になると、生理がこなくなると言われています。Lilyさんなら、59kgの80%の48kg以下になると生理がこなくなります。それも理にかなっていて、生理は血が出ますね。この中に栄養も入っているので、体重が少ないと体が栄養を出さないように、生理が止まってしまうのです。人間の体って賢いですよね。

これは世の女子、みなさんに知ってほしいですね!

過度なダイエットには気を付けてほしいですね。今回は以上です。ありがとうございました。