Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業
モデルでタレントの綺咲あみさんと「更年期障害」についてお話します。
更年期とは
更年期障害って、女性にとったらとても気になるテーマですよね。
生理のイライラなのか、更年期のイライラなのか見分けるのが難しいと思うんですが、どうなんですか?
まだ全然関係ないじゃないですか。
いえ、必ず通る道なので、とても気になりますね。
まず、みなさんに質問です。更年期っていうのは、いつからいつまでのことを指すと思いますか?
実は、更年期というのは人によって違うんです。定義は、「閉経から前後5年間の計10年間」です。
10年もあるんですか。長い!
そうなんです。まず、基本に戻ると、生理はなんで来るんですか?
子供をつくるためですよね。
そうですね。子供をつくるために子宮の準備が必要になります。赤ちゃんが育つ子宮の内膜は、卵巣から出る女性ホルモンの命令で厚くなってきます。妊娠しないと、この内膜が剥がれて外に出ます。これが生理です。
このように卵巣が女性ホルモンを作りますが、40代後半、50代になると卵巣が女性ホルモンをつくる機能が弱まってしまいます。女性ホルモンが出ないと、内膜が薄くなるため生理が来なくなるんです。するといろいろな症状が出てくるのです。
「障害」と「症状」の違い
もう一つ、知っておいてほしいことがあります。
更年期「障害」と「症状」は何が違うでしょう。
違うんですね!
年齢を重ねて、女性ホルモンが出なくなったら体がびっくりするんですね。その時にいろいろな症状が出ます。よく言われる、火照る、汗をかく、イライラする、眠れないなどがあります。このような症状を「更年期症状」といいます。でも、まだ「障害」ではないです。この症状があまりにもひどく、日常生活に影響を及ぼすことを「更年期障害」と呼びます。
更年期症状:女性は誰もが体験する
更年期障害:症状が特にひどいこと
対処法は?
まずは「漢方」更年期の症状をやわらげてくれます。
次に「プラセンタの注射」こちらも症状をやわらげてくれ、保険適応のものもあります。
あとは「女性ホルモンを補充する薬」塗り薬や貼るパッチなどがあります。
女性ホルモンには、血管や骨を守ったり、コレステロールを下げる効果があります。なので、閉経すると5年間ほど、ホルモンを補充してあげるといいと思います。ただし、女性ホルモンを使いすぎると乳がんや血栓症の原因になることがあります。だから、貼り薬や塗り薬にして、リスクを減らすのです。必要最低限のホルモンを5年間であれば、乳がんになるリスクも変わりません。もしくは、ホルモンの薬を使うのであれば、一年に一度必ず乳がん検診を行ってください。
最近では、更年期症状が楽になるサプリもありますね。
まずは、症状が気になる方は、気軽にお医者さんに相談をしてみてください。
ありがとうございました。大変勉強になりました。