Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業

みなさんの「貧血」の疑問について、Dr.ネルソン先生が丁寧に説明します。

貧血を甘く見ないで!

今回は、「貧血を放置したらどうなるの?」という質問をいただきました。

これの何が問題かというと、長い間、貧血に慣れてしまった人は、案外症状が出ないんです。体が慣れてしまっているからです。症状が出なければいいんでは?と思われるかもしれませんが、それがいけないんです。

なぜかというと、血液は体中に酸素や栄養を運んでいます。それと、二酸化炭素や溜まったゴミを回収する役目もあります。血液が薄いということは、体に酸素や栄養を運ぶのが遅くなってしまいます。

また、その血液は心臓の動きで送り出されています。でも、血液が薄くなると心臓の動きがいつもよりも早くなるんです。倍ぐらいで働くことになってしまいます。

あとは、腎臓から血液を作りなさいというホルモンも出ています。貧血のままだと、腎臓も必死に働きます。ということは、貧血を放っておくと心臓や腎臓に負担がかかってしまいます。それが、心不全につながることもあるんです。

貧血の人は、階段を上がるだけで息切れをしてしまいます。普段でさえ、心臓は倍以上動いているのに、普通の人の3倍か4倍になってしまいますよね。だから、たかが貧血となめないでください。放っておくと案外怖いんです。貧血で悩んでいる人がいれば、もう一度病院できちんと調べてもらってくださいね。