Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業

りょうこ皮ふ科クリニック院長、形成外科医である西林涼子先生と「アトピー治療」ついてお話します。

アトピーとは

今回は、アトピーについて教えてください。まず、アトピーって何なんですか?

アトピーの原因は、正直様々なものが重なっていると言われているので、これっていう1対1の原因はないんです。でも、皮膚のバリア機能が低下しているところに様々な刺激が加わって、炎症が慢性化していると定義ではなっています。

バリアですか?

そうなんです。

バリア機能が一番大切と言われています。バリアが弱っていると、いつもは大丈夫な刺激やちょっとした刺激でも、炎症を起こしてしまうんです。この炎症の繰り返しを「アトピー性皮膚炎」と呼ぶ場合が多いですね。

じゃあそのバリアを強くする方法はありますか?

それは「保湿」スキンケアが大切になってきます。優しく洗って、洗いすぎない、取りすぎない、自分で足してあげる、これらが大切です。自分で補えないから、外から補ってあげる。これが基本です。特に炎症を起こしている時は、代謝後進もしているし、過敏になっているので、バリア機能を自分で作れないんですよね。だから、アトピー性皮膚炎の治療としては、「保湿」「洗う」といったスキンケアが大切なんです。

根本的に、炎症を抑える方法もありますか?

炎症を抑えるっていうのが、やっぱり外的刺激から身を守るのに、バリア機能無くしては難しいんです。例えば、牛乳を飲んだら出るなど分かっていたら防ぎようもあるんですが、普段大丈夫なものでも、ストレスがあったり、肌の状態が悪かったりすると炎症が出ることもあります。なので、炎症を起こす相手を減らすということは現実的に難しいです。

そうなんですね。

あとは、アトピーをもってるお子さんがいるお母さんは心配になる「ステロイド」

病院によって、必要最低限にして下さいってところと、たっぷり使って下さいってところに分かれますよね。その辺りもどうなんですか?

ステロイドについて

先生、よくご存じですね。

結論から言うと、ステロイドは悪ではありません。ただし、「正しく使えば」です。でも、一部のネットや先生の中では、ステロイドを好きじゃなかったり悪者扱いしたりする人もいます。でも私は基本的なガイドラインに基づいて、治療をさせていただいております。ネットで見てステロイドにいいイメージがないとか、前使っててこうなったからって、違う治療法はないですか?っておっしゃる親御さんもいますが、私は正しい知識を伝えたいので、「ステロイドは正しく使えば、早く炎症もひいて、跡形も良くなるよ」と伝えています。

正しく・正しい期間・正しい量を使って、すぐに止めましょう!っていうことを伝えています。

一言ステロイドといっても、たくさん種類あるんですよね?

年齢とか使う場所・使う期間によっても違います。またそのまま塗るのか、希釈して塗るのかも違います。きちんと使えば、症状がおさまることがほとんどなのに、なぜ誤解が生まれるかというと、一つ原因があります。それは、治ったあとに起こる炎症後の色素沈着です。アトピーなどが治ったから、茶色の色素沈着が起こるんですが、それがステロイドのせいだと勘違いされる方がいるんです。赤みがかった炎症が落ち着いたから、茶色になるんです。これはステロイドが効いた証拠なので、勘違いしないでほしいです。跡形を残したくなければ、早く炎症を引かせてあげないといけません。半年、一年とアトピーの炎症があったのであれば、跡形が引くのもそれ以上の期間がかかります。なので、正しくステロイドを使って早く治すこと。一週間で治せば、そのあとの長引きも短くなります。

なるほど。

使ったステロイドがもし合わなかった場合は、また相談すればいいんですね。

そうですね。

よくよく話を聞くと、飲み薬で治そうと思われている方が多いんですね。でも、やっぱり塗り薬ありきだし、そもそもきちんと塗れていない人が多いんですよね。うちのクリニックの患者さんでも、全然治らないって言われていましが、正しい塗り方を実践してもらったら2週間できれいになりました。

ただ塗るだけではダメなんですね。

そうなんです。

塗り方も塗る頻度も塗る量も人によって違うのでね。必要であれば、飲み薬も足します。あと、治ったからといって急に薬をやめるのもダメです。絶対にぶり返します。少しずつ薬を減らすなどコツがいるので、必ず治るまで病院に通って下さい。完治ももちろん大事ですが、季節によって薬を変えたりして、アトピーとうまく付き合っていくことも大切です。あきらめずに、信頼できる先生を探して通ってほしいと思います。

自分の体質ときちんと向き合うことが大切ですね。アトピー性皮膚炎でお悩みの方、参考になったでしょうか?今回も非常に勉強になりました。ありがとうございました。

まとめ