Dr.ネルソンの「医学&タメになる」授業
りょうこ皮ふ科クリニック院長、形成外科医である西林涼子先生と乾燥肌対策ついてお話します。
乾燥肌の悩み
今回は、女性の一番の悩みである乾燥肌についてです。特に、「秋・冬」が一番気になりますよね。どう対処すればいいんですか?
はい、お答えしましょう!
まず、乾燥は「秋・冬」に限らず、「春・夏」もあります。春は、花粉の影響で皮膚を掻くことで、バリア機能が低下している人がたくさんいます。夏場は、冷房や日焼けの影響で肌が乾燥している人がいます。しかし、なぜか「春・夏」は乾燥している自覚がない人が多いので、保湿剤を与えてあげていない場合が多いです。肌は、年中乾燥する可能性が大いにあることを、まずは覚えておいてください。
どんな対処したらいいですか?
とりあえず、保湿剤をたくさん塗ったらいいですか?
そうです。塗ることが大切で、さらにこまめに塗ることが大切です!って患者さんによく言います。
特に、アトピー性皮膚炎の方などは、元々皮膚の炎症機能で、皮膚のバリア機能は落ちているので。ちなみに、こまめにっていうとどれぐらいのイメージがありますか?
2、3時間に一回ぐらいですか?
その頻度、本当に塗れますか?
・・・絶対に無理です。とりあえず、言ってみただけです。笑
そうですよね。大体、みなさん朝晩しか塗れていません。こまめにのイメージが朝・お風呂あがりの2回程度だと思います。でも、私たちのいうこまめには、一日5回でも6回でも塗ってほしいです。ちなみに、保湿剤ってどんなものを塗るかイメージつきますか?
全然分かりません。ドラッグストアへ行っても、いろいろな種類がありますよね。
保湿剤の種類
大きく分けると2つあります。水分を補給するタイプとふたをするタイプです。
じゃあ、水分をたくさんあげて、その上にふたをすればいいじゃないですか。
おっしゃる通りです。
なので、真冬は特に乾燥しやすい季節なので、水分をしっかり補給してから、上にふたをしてあげると水分が逃げずに保たれるのでいいです。 でも夏場にそれをすると、ふたの部分が多くはワセリンになるので、ベタベタして塗れなくなってしまいます。 なので、夏場にふたは必要ないです。
また、季節によって使う保湿剤の種類を変えたり、使う基材(スプレー、乳液、クリーム、軟膏)を変えたりすることが大切になります。
なるほど!
では、りょうこ先生の春夏秋冬の季節の保湿方法をぜひ教えてください。
春夏秋冬の保湿方法
もちろんです。
春はローションタイプ(乳液)のものを使っています。水分補給タイプですね。朝、お化粧する前にまず塗ります。お昼も、休憩時に塗ります。夕方、診察後も塗ります。お風呂あがりも塗るので、一日4回は塗っていますね。でも、私とまったく同じことをしたからといって、みなさんに合うか分からないです。でも、それをアドバイスするのが私たちの役目です。
相手の肌質を見て、どのような方法がいいか伝えるんですね。じゃあ、どんな肌質の人だったら、ふたをしておいた方がいいよってなりますか?
ベースに皮膚の病気がある方ですかね。お肌の状態がよくないと、そもそもバリア機能がないので刺激に弱いです。なので、ふたをしてあげることで、外的刺激から守ってあげることができます。使い心地が悪いとか、お洋服がくっつくなど使用感が悪くても使わないといけない方はいると思います。
続いて、夏はスプレータイプのものを使います。水分補給のタイプですね。気を付けてほしいことは、吹きかけて保湿剤が蒸発する時に、一緒に自分の水分も蒸発させてしまい、余計に乾燥する場合があることです。
どんな成分だと、そんな悪い性質をもってしまうんですか?
どのスプレーがというのは言いにくいですが、病院等で保険で処方できるスプレータイプの保湿剤はしっかり保湿できます。保湿を目的に治療として作られているからです。なので、必要な方は病院で処方してもらって使うべきです。
なるほど。
病院まで行かないといけないし、面倒だけど、本気で自分の体を助けたいんだったら、そうした方がいいね!
あとは、医療専売のスキンケアのブランドってたくさんあるので、クリニック等で販売されているスキンケアを使うと間違いはないと思います。カウンセリングも正しくしてくれます。
次は、秋です。秋は乳液タイプ、場所によっては軟膏タイプを混ぜて使っています。特に、手洗いをよくするシーズンや、水仕事をする主婦の方は手が荒れやすいので、手は軟膏タイプでしっかりこまめに保湿することが大切です。皮膚は頭から足の先まで一枚皮ですが、分厚さや質感は違いますよね。だから、保湿剤も場所によって変えてあげたいですね。
最後に冬です。冬は、こってり塗ってあげてほしいです。プラスふたを必ずしてほしいです。なので、軟膏タイプの保湿剤プラスふたとしてワセリンを使うのがスタンダードかなと思います。
季節によって使い分けるんですね。
そうですね。
あとは、場所ごとに変わってきますし、個人の肌状態によって違ってくるので一概には難しいですが、基本的に保湿をして悪いことはありません。
よく分かりました。本日はありがとうございました。